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「こころの病」−その症例とは?

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●神経症●

 

●神経症●

神経症とは?
神経症とは、不安や恐怖といった心因によって精神的、身体的に機能障害が起きる「こころの病気」です。この場合の身体症状は、胃潰瘍といった器質的なものではなく(この場合は心身症にあたります)、けいれんといった「元に戻ることができる機能的な病態のことをいいます。そして、神経症の場合は、心身に症状が起きても実際に検査をしてみると、特に異常が見つからないというのが特徴です。また、精神分裂病との違いは「比較的冷静な判断ができ、真面目に不安と向き合っている」ことです。ですから社会規範を乱すような言動はみられません。逆に、現実がゆがめられたり幻覚や妄想がでてくると精神分裂病の可能性が高いといえます。

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主な神経症

◇不安神経症 →詳しく
◇パニック障害 →詳しく
◇外出恐怖(広場恐怖症) →詳しく
◇心気症 →詳しく
◇心的外傷後ストレス障害(PTSD) →詳しく
◇疼痛障害 →詳しく
◇対人恐怖 →詳しく
◇強迫性障害 →詳しく
◇解離性障害 →詳しく
◇離人神経症 →詳しく

 

 

◇不安神経症
生きていく中で不安を感じたことのない人なんていないでしょう。ところが、特にこれといった原因がないのに強い不安が生じてきて、その不安が不安をよび、そのうち自分ではその不安をコントロールすることができなくなる人がいます。こうした状態を不安神経症といいます。不安が生じると身体が緊張してふるえが起きる、息苦しくなって呼吸が乱れる、冷や汗がでる、口の中がカラカラに乾く、胃腸のはたらきが弱まるというような状態になりますが、こうした状態が続いて身体の調子が崩れてしまうと自律神経失調症や不定愁訴といった疾患になります。不安神経症にかかる人は多く、真面目で内省的な人、また事故や死などを極度に恐れている人がなりやすいといえます。発病前はごく普通の生活を送っている場合がほとんどですから、身近に起こりうる障害といえるでしょう。

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◇パニック障害
不安が原因の神経症の中に、急性のものが存在します。ある日、あるとき、突然激しい動悸や息苦しさに見舞われ「このまま死ぬのではないか」という猛烈な恐怖に襲われるものです。その恐怖から呼吸が乱れて過呼吸状態になってしまうため、手足のしびれや吐き気、冷や汗が併発し、ますます不安が強まります。これが近年よく知られるようになったパニック障害です。パニック障害では、失神しそうなほど気が遠くなったとしても、実際に気を失うことはなく、通常30分から1時間ぐらいでおさまります。発作がおさまると病院で検査してもこれといった異常は見つかりません。しかし、本人にとっては死ぬ思いをするような体験であるため、その恐怖が再び不安をよんでパニック発作を繰り返すことがあります。

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◇外出恐怖(広場恐怖症)
パニック障害を起こした後、いつまた発作が起きるか分からないという不安から、ひとりで外出できなくなってしまう場合があります。こうした状態を外出恐怖または広場恐怖症といいます。外出恐怖は、パニック障害の経験がなくても起きることがあります。目的地までの道のりに長い橋やトンネルがあるなど災害や事故が起きると戻れなくなるような場合、不安が先に立って外出できなくなるというものです。こうしたケースでは、かつて似たような体験をしていてその記憶が不安を呼んでいる場合もあります。

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◇心気症
「自分は重病にかかっている」と思いこんで、悩んだり不安を募らせたりしている状態を心気症といいます。他の神経症とは違って不安の原因(自分は重病だという不安)がはっきりしていることが特徴です。心身の些細な不調に過敏なため、すぐに病気を疑って医者で検査を受けますが、とくに病気とは認められません。しかし、それで安心するのではなく「このまま病気が発見されずに死んでしまうのではないか?」という新たな不安が生まれます。元来、ものごとに固執しやすい人や心配性の人がなりやすいとされていますが、身近な人の病気や死を目の当たりにしたことが引き金になることも多いようです。

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◇心的外傷後ストレス障害(PTSD)
心的外傷とは一般にいう「トラウマ」のこと。心的外傷後ストレス障害とは、耐え難いような悲惨な体験によって心に傷ができ、それがその後の人生にネガティブな影響を与えてしまう状態です。具体的には、戦争や災害、強迫やレイプといった強烈な出来事に遭遇したことがきっかけで、神経過敏になったり日常生活が回避的になったりしてしまうことです。最近では、阪神大震災や地下鉄サリン事件で発症した人が多く、マスコミにもとりあげられて一躍有名になりました。事件を連想させるような刺激を受けると、当時の記憶や感覚がありありと甦ってくることがあり(フラッシュバック)、この状態に陥ると恐怖を再体験するだけでなく、その後の生活でも落ち着きを失う、集中力に欠ける、怒りっぽくなるといった不安定な状態になってしまいます。また、強い不眠や悪夢、食欲減退、頭痛といった状態が長期間続くこともあります。

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◇疼痛障害
身体のどこかがずきずきと痛むのに、病院で検査しても身体疾患が見あたらない場合、神経症による疼痛障害である可能性があります。疼痛障害とは、転職、離婚などのストレスが原因で身体のどこかに疼痛(ずきずきとうずくような痛み)がおき、それが慢性化することです。痛みがあるため、活動性が低下したり不眠に陥るなど生活に支障がおきるばかりでなく、通勤・通学ができなくなる場合もあります。

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◇対人恐怖
対人恐怖とは、文字通り人と関わることに恐怖を感じてしまうことです。「人とうまく付き合うためには、こうすべき」という強迫的な考え方がある一方で、「自分はそれができないから、人から嫌われる」という不安を持っているため、人とうまく関わることができず日常に支障をきたしてしまいます。緊張すると赤面したり手が震えたりする、相手の視線が極度に気になって目を合わせられない、自分の臭いを周りの人がいやがっていると思いこむ…といった症状があげられます。恐怖が高まるとパニック発作を起こすこともあります。

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◇強迫性障害
「自分の手が汚れているような気がして何度も手を洗う」「洗剤がおちていないような気がしてお皿を水で流し続ける」「火事が心配で火の元を何度も確認する」といった状態を強迫行為といいます。また、性的なシーンやおぞましい言葉が頭の中に繰り返しよぎって、うち消そうとしても自分ではうち消せないものを強迫観念といいます。この強迫観念、強迫行為が度を越してしまい、本人にとって耐え難く、勉学や仕事に集中できなかったり生活するのが苦痛になってしまったものを強迫性障害といいます。本人は、その観念を自分が生みだしていることや、その行為が過剰であることを認識しています。しかし、やめると不安になるため、際限なく続いてしまうのです。不安をうち消すために「○○を何回する」とか「この順番で並べる」といった、周囲から見ると無意味でおまじない的なルールを決めてその通りに行動している場合も少なくありません。こうした強迫的な観念や行動に縛られてしまう影には、「安全かつ安心できる環境で生きたい」という強い欲求が隠されていると言われています。つまり、安全を確保するための自己防衛作用が過剰にあらわれたものといえます。しつけの厳しい親のもとで育てられた場合に多く見られる障害です。

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◇解離性障害
とても解決できそうもないような困難な状況に直面したとき、人は「これは夢だ、現実じゃない」と思いたがりますね。解離性障害とは、この「現実から逃げ出したい」という心理状態から実際に現実から逃げるような状況をつくり出してしまう障害です。主に『解離性健忘』『解離性遁走』『解離性混迷(もうろう)』という状態があります。解離性健忘は、忘れたいような苦痛や不快な体験を本当に忘れてしまうというもの。解離性遁走とは、突然旅行や放浪に出てしまい、その間ははっきりとした意識を持ち普通に生活しているにもかかわらず、我に返ったときにはその間の記憶を失っているというもの。解離性混迷は、意識がもうろうとして歩き回ったり、突然眠ったようになり周囲の呼びかけに応えなかったりという状態で、その間の記憶も不明瞭です。その他、運動機能や感覚・知覚機能に障害がおきることもあります。具体的には、歩行が困難になったり、けいれんが起きたり、声が出なくなったりといった症状です。これを転換状態といいます。

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◇離人神経症
上記の解離状態に関連した症状に離人神経症があります。これは、本人にも説明しずらく、周囲にも理解しにくい症状です。これには「自分の考えや感情が自分のものだという感じがしない」「見たり聞いたりしたものに現実感がなくピンとこない」という精神的なものと「自分の身体が自分のものという実感がない」「暑さ、痛みをはっきりと感じることができない」という身体的なものがあります。どちらにしても「現実感、実感」がないというものです。もちろん本人は、自分の考えであり、自分の身体であるということは頭では理解しています。悲しい出来事に遭遇しているのに悲しみを実感できなかったり、懐かしい人と会っているのに喜びを実感できなかったりといった状況は、本人にとってはたいへん辛く苦しいものです。困難な状況の中で限界まで頑張っているときなどに、突然発症するケースが多いとされています。

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