情緒不安定の克服のために知っておくべき【症状・原因・改善方法】

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情緒不安定で悩む女の子inカフェ

「他人から見れば些細なことが、気になって何も手に付かない・・・」

「不安な気持ちが、自分ではどうしてもコントロールできない・・・」

最近、そんな「情緒不安定」でお悩みの方が、とても増えています。情緒不安定とは、ざっくりと言えば、感情の起伏が激しく、不安定な心の状態ということができます。
この状態に陥ると、気持ちや感情を自分でコントロールできなくなるため、ちょっとしたことでイライラしたり、強い不安を感じて夜も眠れなくなったりします。こうしたことが続くと、それまで問題なかった人間関係が難しくなったり、日常生活がスムーズにいかなくなったりすることも。そして、それがさらに情緒不安定を加速させるという、負のスパイラルを生むことにもなりかねません。
このような情緒不安定の症状は「全般性不安障害」という心の病気によく見受けられます
もし6ヶ月以上の期間にわたって、この状態が続くときは、単なる性格傾向と片付けて放置せず、積極的なケアを心がけるようにしましょう。

このページでは、「情緒不安定」を克服するために知っておく必要のある症状と原因、そしてその改善方法についてご紹介します。

 

情緒不安定とは?
感情の起伏の激しさや対象がはっきりしないイライラが、
強い不安に転化した「全般性不安障害」の特徴

情緒不安定で塞ぎこむ女性

明確な理由や対象がはっきりしないのに、なぜかイライラしたり、強い不安を感じたりといったことは、誰にでも起こる「人間として自然な反応」のひとつです。
しかし、中には自然な反応として起こる「単なる気分の浮き沈み」と片付けられないほど深刻なケースもあります。
わけのわからない恐れや不安にさいなまれて心身に苦痛を感じ、日常生活に支障をきたしてしまうのです。これが「全般性不安障害」です。

この疾患は、かつて「不安神経症」と呼ばれていましたが、アメリカ精神医学会の診断基準(最新版はDSM-5)により細分化され、現在は、慢性的な情緒不安定や不安に悩まされている場合は「全般性不安障害」、急な不安発作を繰り返す場合は「パニック障害」、人前に出る不安や恐怖に悩む場合は「社交不安障害」と分けて考えられるようになりました。
では、情緒不安定(全般性不安障害)には具体的にどんな特徴があるのでしょうか。次にその特徴をご紹介します。

▶ 情緒不安定(全般性不安障害)の特徴①
「心配不安を何度も繰り返す」

情緒不安定(全般性不安障害)に陥ると、どんな心配であっても何度も繰り返し(反芻して)心配して不安になり、苦しみます。心配の繰り返しがあまりに強く、心配していること以外のことは考えられなくなります。

▶ 情緒不安定(全般性不安障害)の特徴②
「大げさで不合理な心配の仕方をする」

情緒不安定(全般性不安障害)の傾向として、たいしたことでなくても、大げさに心配し、通常ではあり得ないような(妄想的にも思えるような)心配の仕方をします。そして、自分でもおかしな心配をしていることがわかっていても、その心配をやめられません

▶ 情緒不安定(全般性不安障害)の特徴③
「社交的だが異常なまでの完璧主義」

情緒不安定(全般性不安障害)の人は、社交的で人とのコミュニケーションも厭わないが、対人的な関わりの中で、自分がミスしていないかをとにかく気にします。また、ミスを犯すことは強烈な不安のもととなるため、学校や仕事や家庭のすべてにおいて異常なまでに完璧主義に徹しようとします。

▶ 情緒不安定(全般性不安障害)の特徴④
「曖昧さが許せない」

情緒不安定(全般性不安障害)の人にとって、曖昧であることは不安のもとになるので許せません。友人関係や恋愛関係から、自分の身体の健康に至るまで、あらゆることの些細なことを気に病み、そのことばかりを考え、すぐに結論を出そうとします。
 

情緒不安定(全般性不安障害)の症状

情緒不安定に悩む女性

情緒不安定(全般性不安障害)に陥ると、たとえば、病気・事故・失敗などの将来起こるかもしれない(と仮定した上での)不幸を心配したり、自分ではどうすることもできない事柄を深刻に悩んだりします。
理由があろうがなかろうが、とにかく心配し、不安に思うことがやめられないのです。このため、情緒不安定(全般性不安障害)に陥った人の不安の具体的な内容は、他人の目にはナンセンスに見えるようなものも多く見受けられます。
常に心配事を抱えているということは、大変なストレスです。イライラしやすく、リラックスできません。このような状態が長期間続くと疲れやすく、物事に集中できず、注意が散漫になり、ミスも起こしやすくなります。
また、身体的にも常に緊張している状態が続いているので、筋肉が緊張して肩や首がこったり、筋緊張性頭痛、筋肉のけいれんをはじめ、身体のあらゆる部位の痛みとして現れます。こうした身体的緊張の結果、寝つきも悪く、眠りも浅くなり、睡眠障害を引き起こす場合もあります。

情緒不安定(全般性不安障害)の場合、パニック障害のように急激な発作を伴うことはありませんが、必要以上に心配して不安になり、次のような症状に継続的に悩まされます。

 <情緒不安定(全般性不安障害)の症状>

●精神症状

・慢性的な不安・緊張
・落ち着きのなさ・焦燥感
・集中困難・刺激に対する過敏
・記憶力低下 など

●身体症状(不定愁訴)

・首や肩のコリ・頭痛
・めまい・震え
・悪寒や熱感・動悸
・息苦しさ・喉のつかえ
・吐き気・下痢
・頻尿・不眠 など

また、情緒不安定(全般性不安障害)の場合、うつを併発することが多く、その可能性は50%だと言われています。不安とうつ状態は類似した脳の状態から引き起こされるため、全般性不安障害からうつになるケースは多いようです。
 

情緒不安定(全般性不安障害)の原因

情緒不安定で落ち込む女性

情緒不安定(全般性不安障害)の原因のひとつは、生活上の慢性的なストレスだといわれていますが、その原因は単体ではなく、いくつもの原因が複合的にからみ合って発症すると考えられています。

しかし、何か特定の心配事や悩み、精神的ショックに起因することもあれば、これといった原因もなく発症することもあります。
さらには、風邪や睡眠不足、疲れといった身体的な不調がきっかけとなることもあり、具体的な原因をなかなか特定しづらいのが現状です。このため、いつ発症したのかはっきりしないことも、珍しくありません。
これまで、その原因については、分からないことも多かった情緒不安定(全般性不安障害)ですが、近年の最新研究によれば、人の脳内で起きているいくつかの脳機能障害が明らかになりつつあります。
 

情緒不安定(全般性不安障害)における脳機能上の原因とは?

▶ 原因:脳機能に起きている障害①
「心配がやめられない → 前帯状回の過剰な活動」

情緒不安定(全般性不安障害)の人が心配をやめることができなくなっている原因は、脳の前帯状回の過剰な活動にあると指摘されています。過剰な活動で、前帯状回に思考がとどまってしまい、本来行うべき情報伝達がうまく機能しなくなり、心配を繰り返します。これはセロトニン不足が大きく影響していると言われています。

▶ 原因:脳機能に起きている障害②
「ネガティブな心配を生み出す → 神経伝達物質の不均衡」

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)過多やセロトニン不足などの神経伝物質のバランスが崩れることで、脳の大脳辺縁系、大脳基底核、皮質の活動がアンバランスになり、ネガティブな心配が生じると言われています。

▶ 原因:脳機能に起きている障害③
「不安になりやすく、その思考を繰り返す → セロトニン不足」

脳内のセロトニン・ニューロンが少ないケースや、またシナプス間隙でのセロトニン神経伝達がうまくいかないなど、大脳辺縁系と前頭前皮質のセロトニン・レベルが低下している場合、心配をコントロールすることができなくなると言われています。

▶ 原因:脳機能に起きている障害④
「過剰な心配や緊張を引き起こす → 大脳基底核のGABA不足or機能不全」

大脳基底核で精神エネルギーのレベルを調整する神経伝達物質であるγアミノブチル酸(GABA)が不足もしくは機能が不十分な場合、過剰な神経過敏や緊張状態をコントロールできなくなると言われています。

▶ 原因:脳機能に起きている障害⑤
「不適切な行動や衝動のコントロールができない → 眼窩前頭皮質の機能不全」

攻撃的な行動といった不適切な行動や衝動をコントロールする眼窩前頭皮質が機能低下に陥ると、不必要に攻撃的な態度や逃避するといった社会的に不適切な行動を抑えられなくなると言われています。

これらの大脳辺縁系、前帯状回、眼窩前頭皮質、前頭前皮質に見られる脳機能の機能不全は、主にセロトニン・レベルの低下によって引き起こされていると指摘されています。
 

情緒不安定(全般性不安障害)になりやすいタイプ

心配事をする男性

情緒不安定(全般性不安障害)は、もともと神経質で、何事にも思い悩んだり後悔しがちな性格の人がなりやすい病気です。日本における情緒不安定(全般性不安障害)の1年間の有病率は3.2生涯有病率は5〜6.6と、実は非常に多い病気です。また、発症の時期は大半が20代ですが、10代で発症することもあります。女性に多い疾患で、患者数は男性に比べて女性が1.5~2倍ほどになると言われています。
また、親子関係における子供時代の体験が、より情緒不安定(全般性不安障害)になりやすい傾向を形成しているというケースや、遺伝的要因についても、指摘されています。
 

あなたの情緒不安定が
「全般性不安障害」かどうかの判断基準とは?

<情緒不安定(全般性不安障害)の診断チェック>

診断チェック

情緒不安定の症状として、特定の状態が一定期間継続している場合、全般性不安障害の可能性があると言われています。では、その診断基準となる具体的な線引とはどのようなものなのでしょうか?
次の内容に当てはまるケースは、全般性不安障害に陥っている可能性が高いと言えます。

※以下は、診断基準の最新版にあたるDSM-5の内容を参考にしているため、専門的表現も含まれています。

①過剰な不安と心配がある状態が6カ月以上続いている

②心配をコントロールすることが難しい

③次の6症状のうち3つまたはそれ以上に該当する
 ・落ち着きのなさ、緊張感や神経の高ぶり
 ・疲労しやすい
 ・集中が困難、もしくは心が空白になる
 ・ちょっとしたことで怒りやすい
 ・筋肉が緊張している
 ・睡眠障害(眠れない、熟睡できない)

④過剰な不安や心配や肉体的な症状によって、日常生活に支障が出ている

⑤現在の症状は、薬の使用や別の病気によるものではない

⑥現在の症状は、以下の他の精神疾患ではうまく説明できない
 ・パニック症のパニック発作が起こることによる不安や心配
 ・社交不安症(社交恐怖)の否定的評価による不安や心配
 ・強迫症の汚染や他の強迫観念による不安や心配
 ・分離不安症の愛着対象からの分離による不安や心配
 ・心的外傷後ストレス障害(PTSD)の外傷的出来事の想起による不安や心配
 ・神経性やせ症の体重増加による不安や心配
 ・身体症状症の身体的訴えによる不安や心配
 ・醜形恐怖症の想像上の外見の欠点知覚による不安や心配
 ・病気不安症の深刻な病気をもつことによる不安や心配
 ・統合失調症や妄想性障害の妄想的信念による不安や心配

 
情緒不安定の症状が、別の疾患の一部の症状としてあらわれるケースはよくあることだと言われていますが、これを自分で見極めるのはとても難しいことです。
ですので、上記の①〜⑤までで、既に当てはまるものが多いという場合は、まず医師に相談してみましょう。
 

情緒不安定(全般性不安障害)の対処法

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情緒不安定(全般性不安障害)は、いつの間にか発症しているケースが少なくないことからも分かるように、自覚しにくい病気です。
前述の「全般性不安障害」の診断基準に当てはまるような場合は、心療内科等を受診したり、臨床心理士のカウンセリングを受けるなど、専門家の助けを借りることをお薦めします。
また、不安感や心配にとらわれそうになったときのセルフケアとして、次のような方法を試してみるのも良いかもしれません。

●ゆっくりと深呼吸をする
→高ぶっている神経をしずめ、まずは気持ちを落ち着かせる
●いま感じていることを、ひたすらノートに書き出す
→不安や心配を書き連ねることで頭の中が整理され、気持ちが楽になる
●仕事や家事、勉強、趣味などに没頭する
→頭に考え事をする暇を与えないことで不安を忘れる
 
さらに、日常生活においては下記のような点に留意してみましょう。
 
●規則正しい生活と栄養バランスの良い食生活を心がける
 
●睡眠を十分(6~7時間以上)に取る
 
●ストレッチやウォーキングなどの軽い運動を取り入れる
 
●入浴やアロマテラピーなどでリラックスを図る

 
ただし、人により、症状により、効果的な対処方法も改善のプロセスも違います。
他の人のケースをそのまま自分に当てはめて考えるのは危険です。
場合によっては、状況を悪化させる可能性もありますので、信頼できる医師やカウンセラーを見つけ、アドバイスを受けながら、気長に改善を図っていくことが大切です。

 

情緒不安定(全般性不安障害)とセロトニンの関係

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先に述べたように、情緒不安定(全般性不安障害)の原因のひとつに、脳機能障害が指摘されています。中でも脳の働きを司る神経伝達物質のうち、セロトニンノルアドレナリン(ノルエピネフリン)の2つが大きく影響していると考えられています。

セロトニンは、心身のさまざまな調整役を担っている代表的な神経伝達物質のひとつで、ドーパミンやノルアドレナリン(ノルエピネフリン)の働きを制御してバランスを整え、情緒を整える働きがあり、脳内バランスや健康にとって不可欠な物質です。そのため、このセロトニンが不足すると、脳内の均衡やバランスを保つことができなくなります。セロトニン関係図
また、セロトニンは神経伝達物質の中でも、情緒不安定(全般性不安障害)と非常に深い関係があると言われています。それは、セロトニン・レベルが低下することによって、脳の大部分が全般性不安障害としての機能不全を引き起こすことが確認されているからです。
 

セロトニン不足によって起こる脳の機能不全とは?

●大脳辺縁系:
セロトニン不足で過活動となり、状況や出来事に対する情動反応を調整する機能が不全を起こし、否定的な思考が次々と押し寄せ、ポジティブな思考ができなくなると言われています。

●前頭前皮質:
セロトニンが不足することで、問題を解決する機能が働かず、前向きな結果を得ることができなくなると言われています。

●前帯状回:
セロトニン不足により、ひとつの話題から別の話題へと注意を移すための柔軟性が失われ、心配を繰り返し思考するようになると言われています。
 

情緒不安定(全般性不安障害)と
ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)の関係

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セロトニンのほかに、情緒不安定(全般性不安障害)に関連する神経伝達物質として、不安や恐怖心に関わるノルアドレナリン(ノルエピネフリン)があります。
 

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)の過活動がもたらす影響とは?

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)は興奮型の神経伝達物質で、不安や恐怖を伴うストレスを受けると放出され、集中力を高めたり痛みを感じにくくして、心と体を臨戦態勢に整えます
一方、セロトニンは感情を安定させる役割をしていますが、このノルアドレナリン(ノルエピネフリン)とセロトニンは相反する機能性を持ちながら、密接な関係性を持っています。
情緒不安定(全般性不安障害)に陥ると、セロトニン・レベルが低下しますが、このセロトニン・レベルの低下が、今度はノルアドレナリン(ノルエピネフリン)に影響を与え、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)の調整不良を引き起こします。これによって、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が過剰となり、過度な不安や恐怖が引き起こされます。これが情緒不安定(全般性不安障害)の中の過剰な緊張や焦燥感を生み出す原因のひとつと考えられています。
 

セロトニン不足の解消が
ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)の調整につながる

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が過剰になっている理由は、セロトニン・レベルが低いことが影響しているため、セロトニンを増加させる取り組みを行うことが、情緒不安定(全般性不安障害)を解消するための有効な手段と言えます。
実際、情緒不安定(全般性不安障害)の薬物療法においては、うつ病に用いられるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬=脳内のセロトニンを低下させないようにする薬)の効果が認められています。
 

セロトニン不足を普段の「食」から補うという発想

情緒不安定(全般性不安障害)を克服し、健康なメンタル状態を維持していくためには、普段からセロトニンを増やす”という発想を持って、日常生活の中でできることを実践することが重要です。特に毎日の「食」という観点から、下記の「セロトニンを増やす栄養素や食品」を積極的に摂取していくことをお勧めします。
 

セロトニンを増やす栄養素や食品

セロトニンの合成には「トリプトファン」と「ビタミンB6」が材料として使われます。それぞれの含有量が多いものをご紹介します。

<トリプトファンを含む食材(多い順)>

・かつおぶし
・高野豆腐
・湯葉
・大豆
・きなこ
・しらす干し
・ごま
・プロセスチーズ
・納豆
・たらこ
・赤身の魚
・アーモンド
・そば
・肉
・豆乳
・ヨーグルト
・牛乳
・バナナ ほか

<ビタミンB6を含む食材(多い順)>

・とうがらし
・にんにく
・バジル
・パセリ
・ピスタチオ
・鶏挽き肉
・牛肉
・きなこ
・まぐろ ほか
セロトニンを増やす食材

普段からこれらの食材摂取をできるだけ心がけましょう。ただし、これらだけに偏るのもよくありません。バランスのよい食生活が大切です。

そして、セロトニンを増やすには、太陽の光を浴び、ジョギングやウォーキングといった適度なリズム感のある運動を並行して行うことがポイントです。最初は少しずつ、無理のない、できる範囲から始めるとよいでしょう。
 

情緒不安定(全般性不安障害)克服のカギとなる
セロトニンと腸内環境

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前述のとおり、感情のコントロールが適切に行われるためには、脳内でセロトニンが充分に供給される必要があります。そして、脳内セロトニンの充分な供給を可能にするカギは、腸内環境を整えることにあるということが、最近になって明らかになってきました。
 

腸内環境と脳のセロトニンとの関係性とは?

では、脳内のセロトニン供給に腸内環境がどう関係するのでしょうか?
セロトニンは、脳内機能の調整をはじめ、体温の調整や痛みの認知、食欲の制御や消化・吸収に至るまで、身体の多くの機能に関わっています。
多彩な役割を担っているセロトニンですが、実は、そのうちの90%は腸で作られ、腸に存在しています。そして、血液中の血小板に8%、脳には2%のセロトニンしか存在していません。こう聞くと、腸にあるセロトニンが脳でも使われるような気もしますが、残念ながら腸で作られたセロトニンが、脳に直接入ることはありません
何らかの物質が、脳内に到達するには、「血液脳関門」という関所のようなものを通過する必要がありますが、この血液脳関門を通過できるのは、アミノ酸のような小さな物質のみ。セロトニンのような大きさの物質は通過できないのです。
つまり、腸内のセロトニンがダイレクトに脳内に流れ込むことはできないため、脳内のセロトニンは脳内で作られるしか供給する方法がないと考えられています。
 

セロトニンの前駆物質が「関所」を通過し、脳に届く

では、脳内セロトニンの生合成に、腸と脳の関わりがないのかというと、そうではありません。
実は、セロトニンになる前の前駆物質(5-HTP:5-ヒドロキシトリプトファン)であれば、血液脳関門を通過することができるため、前駆物質の段階で脳内に入り、脳内でセロトニンが生合成されると考えられています。
セロトニンを生合成するには、前駆物質や酵素などのさまざまな材料が必要となりますが、これらの前駆物質や酵素を作る役割を、腸内細菌が担っていると言われています。血液脳関門を通過するセロトニンの前駆物質
もう少し詳しく説明しましょう。セロトニンの前駆物質である5-HTPは、腸内でタンパク質から分解された必須アミノ酸の「トリプトファン」から生合成されます。トリプトファンなどのアミノ酸がタンパク質から分解される際には、「ビタミンC」などのビタミン類が酵素として使用されます。また、トリプトファンからセロトニンの前駆物質である5-HTPを合成する際には、「ビタミンB6」が補酵素として働きます。つまり、タンパク質の分解や、5-HTPの生合成にはビタミン類の働きが不可欠なのです。

こうしたビタミンB6などのビタミン類は、野菜や果物に含まれていますが、これらはすべて腸内細菌によって食品から抽出・合成されているのです。
 

脳内セロトニンの合成に腸内細菌が関与している研究結果も

また、2013年には、腸内細菌と脳内セロトニンに着目した研究が、米国で発表されました。

http://dailyhealthpost.com/10935-serotonin-the-gut-brain-connection/

この研究によると、無菌マウス(お腹に菌が住んでいないマウス)では脳内のセロトニン・レベルがそれほど高くないのに対し、成体前(幼若期)に腸内細菌を移植されたマウスでは、成体後の脳内におけるセロトニン・レベルが増加していることが示されました。そして、この脳内セロトニン量の変化は、腸内細菌が存在している限りは、成長した後も影響が続いていたのです。つまり、腸内細菌の存在有無によって、脳内のセロトニン量が変化することが確認されているのです。

このように、脳内におけるセロトニン合成を促す上で、腸内細菌は重要なカギを握っていると考えられています。これらのことからもわかるように、情緒不安定(全般性不安障害)を克服する上で、よりよい腸内細菌を増やし、腸内環境を整えることは非常に重要なのです。
 

腸内環境(腸内フローラ)を整え、よい腸内細菌を増やす方法

腸内フローラ情緒不安定(全般性不安障害)を克服するために目指すべきことは、腸内環境を整え、よい腸内細菌を増やすこと。いわば腸内フローラの改善です。
腸内環境を整えるために、「腸内フローラの4R概念」として提唱されているものがあります。この「4R」は、以下を表しています。

▶ Remove・・・除去
▶ Replace
・・・補てん
▶ Re-inoculate
・・・植菌
▶ Regenerate
・・・再生

つまり、体に悪影響を及ぼす可能性のあるものを「除去」し、効率よく食物の消化と栄養素の吸収を促すため、必要に応じて消化酵素を「補てん」する。そして、腸内細菌のバランスが崩れたら有用菌を「植菌」し、有用菌のエサとなるプレバイオティクスを与え、消化管粘膜の「再生」を促し、腸内環境(腸内フローラ)の健全性を維持するということになります。
この考え方に基づき、食生活の工夫や改善を行いながら、それでも不十分な場合には機能性物質(機能性食品・サプリメントを含む)を活用してみるという方法は、非常に効果が期待できます。

>> セロトニン不足を普段の「食」から補うという発想

 

腸内環境(腸内フローラ)を改善する「機能性物質」という観点

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腸内環境(腸内フローラ)を改善するには、食生活や生活習慣の見直しを行いつつ、その上で特定の機能性物質を含む機能性食品やサプリメントを活用することで、さらなる改善効果を期待できます。

まず、腸内環境(腸内フローラ)を整える機能性物質として有名なのが、「乳酸菌」です。
「乳酸菌」は、腸内環境(腸内フローラ)の善玉菌を増やすことをコンセプトに、さまざまな種類の乳酸菌を活用したものが開発され、数多くの製品が登場しています。この分野はさらなる研究が進められているため、今後も新たな乳酸菌の発見・開発が期待されています。
そして、もう一つ、腸内環境(腸内フローラ)を整える方法のひとつとして、いまあらためて注目されているのが「キトサン」です。
 

なぜキトサンが注目されているのか?

腸内環境(腸内フローラ)を整える方法として、なぜキトサンがあらためて注目されているのでしょうか?
その理由は、前述した「4R」で説明すると次のようになります。

既に何らかの症状(ここでは情緒不安定)を発症している人の腸内環境(腸内フローラ)は、極度のストレスや生活習慣の乱れから、非常に劣悪な状態であることが考えられ、体内の有害物質がかなりの割合で蓄積されていると予想されます。
そこで、まず「4R」の「除去」、つまり「体に悪影響を及ぼす可能性のあるものを除去」する腸内へのアプローチが、より効果的だと考えられます。キトサンは、この「除去」の特性を強く持つ機能性物質で、乳酸菌とは異なる方法で腸内環境(腸内フローラ)の改善に寄与します。

一方、乳酸菌は「4R」の「植菌」にあたる機能性物質です。乳酸菌の摂取で善玉菌を増やすアプローチにより、腸内環境(腸内フローラ)の改善に寄与します。

※腸内環境(腸内フローラ)への改善効果をより確実なものとするには、キトサンと乳酸菌の併用はもちろん、それらに加えて、胃腸の消化吸収を促す(4Rの「補てん」にあたる)消化酵素や、(「再生」にあたる)腸壁の修復を助けるL-グルタミンなどを活用するのもよいでしょう。
 

キトサンには心に働きかける力がある

キトサン粉

もともとキトサンは、腸内環境(腸内フローラ)を改善する働きから、免疫力の向上や有害物質の吸着などの身体的側面への有用性が注目されており、当初はまだ、心の領域への関連性は発見されていませんでした。
しかし、十数年前に、キトサンの腸へのアプローチから心の病の改善が見られるケースが報告され、それがきっかけとなり、キトサンと腸と心の病の関係への研究が進み、サプリメントとして開発された「心の病に特化したキトサン」も登場しました。
当時、作用機序は明らかになっていなかったものの、さまざまなキトサンの中でも、ある特定分子量のキトサンで特に顕著に見られたことから、数百を超える症例をもとに研究が進められ、「キトサンが心に働きかける」ことに関する特許が米国で取得され、後になって日本でも同様の特許が認められました

腸を整えることで何らかの働きが腸から脳へと至っているのではないか、と考えられていたキトサンでしたが、腸内環境(腸内フローラ)の改善が脳内セロトニンの増加に寄与することが明らかになったことで、キトサンが腸から脳に働きかけるしくみの解明にもまた一歩近づいたと言うことができるかもしれません。

腸内環境の改善で、心身バランスのくずれをケア! 専門医と共同開発されたメンタル用キトサン・サプリ

腸内環境を整えることが、心身のさまざまな問題改善につながることが明らかになりつつある昨今。その以前から「心と身体を腸内”から整える」ことをコンセプトに、メンタル分野の専門医と共同開発されたサプリメントがあります。それが「低分子水溶性キトサン」サプリメントです。

原料は国内で水揚げされた紅ずわいガニの殻から特殊な製法によって精製された低分子水溶性キトサンを使用。この「キトサン」は、メンタル分野の専門医による全面的協力のもと、最適なパフォーマンスが得られる特定分子量に調整されており、心と身体のリズムを穏やかに整えてくれます。

また、この「キトサン」は、「心のコントロールのとれない人に改善効果が期待できる」として、米国と日本において用途特許を取得しています。
 

※用途特許とは:既存の化合物に未知の属性を発見し、それがある新しい用途に用いることが可能であることが分かった際に、その用途に対して与えられる特許。
 
用途特許とは – 産学連携用語 Weblio辞書
www.weblio.jp/content/用途特許

サプリメントに用途特許が与えられるということは、非常に珍しいケースだと言われています。
ご興味のある方は、詳細サイトをご覧ください。


「低分子水溶性キトサン」詳細サイトへ