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ストレスケア日比谷クリニック
吉家重夫
心理コンサルタント
「統一場心理学」提唱者

 

第3回 「新型うつについて」


 近年、「新型うつ」或いは「現代型うつ病」と呼ばれる症状の方が増えているようです。典型的な例としては、職場ではうつ状態で仕事が十分にできなくなっているのに、自宅に帰ると元気になって、友達を誘って呑みに行ったり映画を見に行ったりするような方のことです。一部には、そのような方について「怠け病だ」と決めつける意見もあるようですが、私はそうは思いません。外見はともかく、ご本人は相当苦しんでおられるようです。

 そこで今回は、前回の「うつ病は治る!」に続き、この「新型うつ」を説明することにしました。

 まず、この「新型うつ」の特徴を見てゆきましょう。すると、一般的に行われている心理カウンセリングや薬物による治療が、思うようには効果を上げていないことが分かります。症状に似たところはあるとしても、従来の「うつ病」という概念で表わされるものとは、根本的に違うものではないでしょうか。

 実際に「新型うつ」の方のカウンセリングをしてみると、共通する性質が見られました。発想が、子どもっぽいのです。自分を絶えず弱者であると感じていたり、問題が起きても「どうにかして欲しい」といった気持ちが先行して、大人らしい自発的な対処が十分にはできていないようなのです。自分の世界に閉じこもり、周囲の状況を積極的に認識して、上手に対処しようとする気持ちが、なかなか現れにくいようでした。

 下の図「新型うつの原理」を見てください。これは、統一場心理学では「思春期の図」という名称で呼ばれているものです。それがなぜ「新型うつの原理」なのかと言うと、実は新型うつというのは、十分に大人になっていない心のまま社会に出てしまった人に多く見られるからなのです。図の説明をしておきます。



 上側の丸が、親の心を表しています。子どもの心は、親から見たときの子ども、つまり「子どもの心1」(これは小人の心なのですが)と、親の心に似た「子どもの心2」から成り立っていることを(単純化して)示しています。四角で囲われた全体が、子どもの心になります。

 子どもは、幼いころから親から扱われた状況に応じて、心の中に「子どもの心1」を形成し、社会に出るようになると、親に似た「子どもの心2」へ移動するということです。このとき、それまで「子どもの心1」を基に行動していたのが、急にぎこちなく「子どもの心2」の大人として行動し始めます。慣れていないために「急に生意気になった」などと言われるのですが、徐々に上手に大人として振舞うことができるようになります。

 ところが状況によっては、この「子どもの心1」から「子どもの心2」への移行が、スムーズに実行できない場合があるのです。

 多くは、親の過干渉や、親子の固定的な関係性が原因になります。

 どういうことか、詳しく説明して、対処法を考えてゆくことにしましょう。

 図中、親子の関係を示す矢印には、様々な内容が考えられます。例えば、親が批判する側であり、子どもが批判される側。親が評価する側であり、子どもが評価される側。その他、家庭によって全て微妙に異なる内容になるでしょう。例えば、両親共に学校の先生だったりすると、親が評価する側になる場合が多いように思えます。

 もちろん多くの場合は、よほど極端でもない限り親子の関係がどのような種類のものであっても、それほど大きな問題になりません。問題は、その関係が「固定されているかどうか」にあるのです。

 あるときは、つい子どもにキツイことを言ってしまったけれども、いつもは優しいし、ときには面白い親。色々変化すれば、問題は起こりにくいと言えます。親の心が色々だと、それに対応した子どもの心も、色々と変化することを経験するからです。それに、いざ「子どもの心1」から「子どもの心2」へ移行しようとした時、両者ともに色々な特徴を持っているので共通する性質もあり、移行しやすいのです。

 ところが、「親の心」はひたすら批判するだけ、「子どもの心1」はひたすら批判されるだけだったら、どうなるでしょうか。子どもが思春期になった時、それまでの人生で批判されることばかり経験してきた子どもにとって、批判するばかりの「子どもの心2」への移行は、とても難しいものになってしまいます。

 また親子関係が強すぎて、「親の心」と「子どもの心1」の結びつきを崩せない子どもも、似たことになるでしょう。普通ならとっくに「子どもの心2」への移行を済ませている年頃になっても、延々と親子関係に縛られることになってしまうからです。

 思春期でこそ「そういう年頃だから」と許される「生意気」も、社会に出て会社に入ってからでは許されません。つまり、「子どもの心1」のまま社会に出てしまった人は、特別な工夫をしないと、ずっと大人になりにくい状況に置かれてしまうことになるのです。

 もちろん、「子どもの心1」のままであっても、一所懸命に大人の知恵を吸収し、社会生活を立派に成り立たせている方は、いくらでもいらっしゃいます。何となく子どもっぽいけれども、ちゃんと社会人をやっている方々です。

 何かの事情でそうした次善の策も講じられないまま社会人になってしまった方の中で、耐えきれないプレッシャーやストレスにさらされた方が、適応障害を起こしてしまい「現代型うつ」と呼ばれる状況になることがあるのだと考えられます。だから、子どもでいられる家に帰ると元気になりますし、昔から付き合いのあった友達とは楽しく遊ぶこともできるのです。つまり、「現代型うつ」は、適応障害の面が大きいと言えるでしょう。

 では、どうすれば良いのでしょうか。

 大人になればよいと言ってしまえば簡単ですが、時期を逸した方が遅れて大人になるのは、それほど簡単なことではありません。

 まず予防としては、思春期以降の親子関係を可能な限り早く手放すことです。子どもは、一旦独立して1、2年過ごすことができれば、大抵は大人になりやすくなります。親は、子どもが失敗したとしても、決定的な致命傷になる場合を除いて、手を出さないことです。親に注意されている間は、子どもは十分には成長できません。自分で失敗を重ね、その中から成長する必要があるのです。

 もし「現代型うつ」になってしまったら。

 症状が軽いのであれば、十分な休息を取りながらではありますが、大人になるように自分で訓練しましょう。一つには、沢山の責任感ある大人と接することです。自分を弱者であるとか、被害者であるとか、つまり子どもであるという感覚から離れるように努力しましょう。そして、親を理解しましょう。あなたの前に居る親は、神様でもスーパーマンでもない、一人の限界のある人間なんだということを心の底から実感できれば、ご自身が大人になる大きなきっかけになるはずです。

 もし、そうしたことが難しいほど深く傷ついてしまっていたら、専門家、それも従来のうつ病の治療方法に縛られない専門家に相談することです。

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応用心理研究所 心理コンサルタント 吉家重夫
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