設立33周年記念メッセージ

様々な苦難の中で理念の正しさを実感

ライトスタッフはおかげさまで今年33年目を迎えます。設立は1987年「心身を健康にし、積極的に前向きに生きる」を事業理念としながら、あっという間に年を重ね、私も62歳になりました。

一つの事業を30年以上続けるというのはやはり容易なことではありません。それでもここまで続けていくことができたのは、心、身体、環境によい商品や情報を提供したいという私の想いが、健康で楽しく生きたいという皆さんの「幸せ」の望みにつながると信じたからです。

また、これまで出会ってきた商品の開発者や、当社スタッフの素晴らしい情熱、何よりお客さまとの触れ合いが事業を続けていくモチベーションになったのも確かです。改めて、全ての方々に感謝申し上げます。

元々広告代理店としてスタートしたライトスタッフでしたが、環境や心に関する商品販売に方向を変えた後も順風満帆というわけではなく、長い月日の中では苦難もありました。バブル崩壊、リーマンショック、そして東日本大震災。手をつくしてもどうにもならない苦境は一度や二度ではありません。

しかしそのたびに、それらの事態が私自身、仕事や人生に対する意識に大きく影響を与え、新たな価値観が立ち上がり、結果的に乗り越えることができたように感じます。その時は気づきませんでしたが、過去の自分の価値観ではとても立ち行かない、という状況は、チャンスになっていたのも確かです。

今年3月、新型コロナウイルスが世界中を襲いました。私は、今回の未曾有の災厄の後、世界中の人の価値観を変えることになるのではないかと思っています。今回の33年という節目に私の考える新しい価値観について、またライトスタッフの新たな役割について、お客様へのメッセージという形で、お話させていただきたいと思います。

コロナ禍で問い直す自分自身の方向性

ライトスタッフは東京・自由が丘に本社を構えます。ウイルス蔓延の中心とも言える東京の緊急事態宣言下の生活は、やはり大きなストレスを伴いました。しかし同時にライトスタッフが目指してきた「心身を健康に積極的に楽しく生きる」ことがいかに大切で、必要なことだと再認識する時間ともなったのです。

現在、新しい生活様式として自粛を余儀なくされる中、元の生活に戻りたくて、ワクチン、特効薬を待ち望んでいる方もいらっしゃるでしょう。しかし、私はあえてこの状況下で皆さんには「幸せとは何か」「生きることとは何か」「健康とは何か」ということを自分に問いかけてもらいたいのです。

私は今回のコロナ禍では、治療薬は最終的な解決にはならないと考えています。ワクチン、特効薬があれば何でもできる、そんな意識で生活を再建してしまうと、薬やワクチンに対して、依存せざるを得なくなる人が増えることを危惧するからです。この意識の方向性は非常によくないもので、「病気は薬が治してくれる」「仕事は国や会社がなんとかしてくれる」人間関係も「相手がなんとかしてくれる」と、最終的に他者依存の思考に進んでいく可能性があります。

目に見えないコロナウイルスに立ち向かうためには、人生の荒波を乗り越えるには、私は自己責任で自己を確立することが最善だと考えています。

自らの判断で生きていく、そのためには前向きな思考と自らの覚悟を基本にしていかなければいけないのですが、今提示されている新しい生活様式は、あれはだめ、これもだめという規制に従う方向性です。もちろん、好き放題に生きてよいというわけではありませんが、生きるための様々なリスクを人任せにすることは決して「前向き」ではありません。

前向きな思考というものは、世の中を深く広く見つめ、自分と真剣に向き合い、何を求めて生きるのか、本当に守りたいものは何なのかを考え抜いてこそ生まれてきます。また決断をするたびに、それを自分のこととして行っていく責任感。その積み重ねが、結果的に幸せに導くのだと私は思うのです。

新たな時代のために「傷つき」を「気づき」へ

私たちは生きていく上で、必ず傷を負います。私も仕事のことだけでなく、個人のことでも思い悩み、自らパニック障害を患った経験があります。会社が大きくなり、安定した今でも、将来の不安や恐れにさいなまれることもしばしばです。

そんな不安に襲われる度に自分で立ち上げているのが「傷つきを気づきへ」という意識です。 人は、苦境(新たな試し)が自らに降りかかった時、その事態が大きければ大きいほど、解決を他者に依存してしまいます。

しかし、そこを変えないと積極的に前向きには生きていけない。そうでないと、もし今回のコロナ禍が落ち着いたら、また別の悩みを見つけてしまいます。というのも、今回ほど大きなストレスの元では、あの人のせいで感染した、政治家はだめだ、といったような後ろ向きの思考が自分の中に簡単に立ち上がってしまいます。そんなネガティブな意識は逃げる心も同時に生んで、弱い自分を責める連鎖も生む。それらは放置するとトラウマとなり、人生をより暗いものにしてしまうのです。

だからこそ私は、今回のコロナ禍で起こることを、あえて自らの「気づき」へと変えてしまう必要があると思っています。なぜなら積極的な行動も、前向きな気持ちも、全て自分が生み出しているからです。気づきに変えて幸せの方向を探すのか、それとも他者に原因も解決も押し付けてしまうか…。今私たちは試されているのかもしれません。

心の免疫力を身に着けるために

これから襲ってくるといわれるコロナの第二波では、また仕事や趣味が奪われたり、人に会うことすら出来なくなるかもしれません。その中で、どうやって楽しく前向きに生きるのか。まずは物事や人への依存心をなくすことです。

他人に、環境に、情報に、何より自然現象にも惑わせられないようになること。やってきたことを信じ、襲う不安から自分を守ってくれる「心の免疫」が必要です。免疫とは誰かに与えられるものではなく、自ら構築するもの。今後もその方法について、共に模索していければと思っています。