健康コラム
Healthcare Column.

自律神経ケアで活き活きと

現代の仕事ストレスと自律神経

現代の私たちの生活は、昔にはなかったようなデジタル化による仕事のストレスに満ちています。
これにより脳は常に「戦うか逃げるか」というストレス反応に陥りやすくなります。その結果、交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスが崩れてしまうのです。

こうした状況では、集中力が低下し、業務効率が悪化するだけでなく、不安感やイライラも増幅し、その継続が心の病へと発展してしまいます。

休息をおろそかにするリスク

もともと日本人は休憩を取ることが苦手だと言われています。真面目で勤勉な国民性ゆえに、「休むこと=怠けること」と捉えがちで、仕事中に休憩を取ることに罪悪感を感じる人も少なくありません。
またわずかに一息つく時間があっても「何かしていないといけない」と感じ、スマートフォンをチェックする人が多いのでしょう。

しかし、こうした行動は脳が情報を処理し続けるため、実際には休息にならず、むしろ疲労感が増してしまいます。休憩は、単に体を休めるだけではなく、脳と心を守るための重要な時間です。

休憩時間はもちろん、仕事中でも脳と体をリセットする行動を意識的に取り入れることで、心の健康を保つことができます。それは、働き方だけでなく、頑張りすぎる生き方そのものを見直すきっかけにもなるでしょう。

気軽に行える4つの自律神経ケア

●呼吸法を工夫しよう

深呼吸は自律神経を整える最もシンプルな方法です。特に緊張した場面や疲れを感じた時に効果的です。

仕事の合間には「カウント呼吸」を試してみましょう。4秒かけて鼻から息を吸い、8秒かけて口からゆっくり吐き出します。このリズムで3〜5回繰り返します。
休憩中には椅子を離れて壁に背をつけ、後頭部、肩甲骨、骨盤をぴったりとつけるように立ちます。その状態でゆっくりと深呼吸を繰り返します。副交感神経を優位にするリセット効果を実感できます。

●昼食・間食でケア

腸内環境は自律神経のバランスに深く影響します。ランチやおやつも少しの工夫でメンタルケアに繋がります。

集中力が落ちたらナッツやカカオ含有量が多いチョコを少量取り入れましょう。自然な甘みのバナナやドライフルーツも仕事中の補給に最適です。脳と腸両方のための栄養を取ると気持ちは落ち着きます。
ランチには発酵食品と野菜料理を一品加えましょう。よく噛んで食べた後は、日光を浴びたり散歩をすると、腸内環境が整い、副交感神経が活性化して心の健康をサポートします。

●姿勢を整えリフレッシュ

自律神経と姿勢は深く関わっています。姿勢を意識するだけで、疲れやストレスを和らげます。

椅子に深く座り、坐骨で体重を支え、耳・肩・腰が一直線になる姿勢を意識しましょう。PCモニターは目線の高さに調整し、乱れの原因となる首や肩への負担を軽減します。
タオルを肩幅より広めに持ち、頭の後ろに回して肘を引き胸を開きます。その後、タオルを頭上に持ち上げ、肩甲骨を寄せるように腕をゆっくり下げます。これで首や肩の緊張がほぐれます。

●触れるだけでもリラックス

触れる、という行為には、自律神経を素早く整え、心身をリラックスさせる効果があります。

デスク周りに手触りの良いアイテムを取り入れるのがおすすめです。柔らかい握り心地のボールや木製のペン、マウスなど、自然素材の製品を身近に置いて触れてみましょう。
休憩中はホットタオルで手や首筋を温めて血流を促進。靴を脱ぎ、足裏マッサージボールを転がせば、全身の緊張がほぐれ、副交感神経が優位になりリラックスできます。

※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を改編・再載しております。

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