私たちは年に一度、健康診断を受け、その結果に安心したり、不安になったりします。しかし、糖尿病に関して一般的な健診で測るのは、主に「空腹時血糖値」です。
空腹時血糖値とは、前日の夜から食事をとらず、血糖値が比較的落ち着いている状態で測った数値です。
そのため、空腹時は正常でも、食事の後だけ血糖値が大きく上がっているケースまでは、見つけられないことがあります。
近年注目されているのが、「食後高血糖」、いわゆる「血糖値スパイク」です。食事の後に血糖値が急上昇し、その後、短時間で下がる現象をいいます。
健康な人の血糖値は、食後になだらかに上がり、ゆっくり元に戻ります。一方、隠れ糖尿病の状態では、食後に血糖値が鋭く跳ね上がります。それでも、健康診断を受ける翌朝には正常値まで下がっていることがあるため、健診では「異常なし」と判定される場合があります。
つまり、健康診断がA判定でも、食後の血糖値まで安心とは限りません。これが、健診では見つかりにくい「隠れ糖尿病」の落とし穴です。
血糖値スパイクは、糖尿病の”入口”ともいえる危険なサインです。空腹時血糖値が正常でも、食後に血糖値の急上昇を繰り返していると、すい臓や血管に負担がかかり、気づかないうちに糖尿病へ近づいている可能性があります。健康診断がA判定でも、安心とは限りません。
血糖値スパイクは、糖尿病の”入口”ともいえる危険なサインです。空腹時血糖値が正常でも、食後に血糖値の急上昇を繰り返していると、すい臓や血管に負担がかかり、気づかないうちに糖尿病へ近づいている可能性があります。健康診断がA判定でも、安心とは限りません。
● 0~2個:今のところ安心
● 3~5個:黄色信号。血糖値スパイクの可能性があります
● 6個以上:赤信号。糖尿病や合併症のリスクに要注意
血糖値スパイクを繰り返していると、血糖値を下げるために膵臓から分泌される「インスリン」が効きにくくなり、やがて分泌も追いつかなくなって、糖尿病へ進行するおそれがあります。
糖尿病が本当に怖いのは、血糖値の数字そのものではありません。高血糖の状態が長く続くことで、全身の血管や神経が少しずつ傷つき、重大な合併症を引き起こすことです。
しかも、糖尿病は初期には自覚症状がほとんどありません。気づかないまま進行し、手足のしびれや視力の低下、腎機能の悪化などが現れたときには、すでに合併症が進んでいることもあります。 特にダメージを受けやすいのが、細い血管が集まる神経、目、腎臓です。代表的なのが、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症の三大合併症。医療の現場では、その頭文字をとって「し・め・じ」と呼ばれています。
血糖値スパイクを繰り返すと、そのたびに血管の内側へ負担がかかり、少しずつ傷みが蓄積していきます。こうした状態が長く続けば、動脈硬化が進み、将来的に脳梗塞や心筋梗塞などを招くリスクを高める一因になります。
血糖の異常は、初期には自覚症状がほとんどないことも多く、気づかないまま進行するのが怖いところです。気になる点がある場合は、自己判断せず、医師の診察を受けて適切に治療することが大切です。
ただし、治療は薬を飲むことだけではありません。薬によっては、胃腸の不調などの副作用が現れることもあります。糖尿病は食事のとり方や運動など毎日の生活習慣も一緒に見直していくことが特に重要です。
1.食べる順番を変える
1.野菜・きのこ・海藻類、2.肉・魚・卵・大豆製品、3.ご飯・パン・麺類の順に食べることで、糖の吸収がゆるやかになり、食後の血糖値の急上昇を抑えやすくなります。同じ内容の食事でも、食べる順番を意識するだけで手軽に続けられます。
2.白い主食を未精製のものへ
白米に玄米や雑載、もち美を混ぜたり、バンを全粒粉やライ麦に替えたりすることで、食物繊維やビタミン、ミネラルを補いながら、糖の吸収と血糖値の急上昇を抑えます。主食を少し変えるだけなので、無理なく続けやすいのもポイントです。
3.食後15分の軽い散歩
食後15~30分以内に、10~15分ほど散歩や家事で体を動かすと、筋肉が血液中の糖をエネルギーとして使い、食後の血糖値の急上昇を抑えやすくなります。無理のない軽い運動でも効果が期待でき、毎日の習慣にしやすい方法です。
※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を改編・再載しております。
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