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最高の若返り物質 “骨ホルモン”の力!!

皆さんは、骨は身体を支えるためのカルシウムの固まり、と思っていませんか?実は骨には数多くの細胞が存在し、そこは何と身体の全てを若くする「特別な物質」を分泌する免疫器官であることが、最新の研究でわかってきました。長く健康で元気に暮らすために重要となる、骨の新たな働きをご紹介します。

免疫力を高める「オステオポンチン」

人間は長期に隔離されたり、寝たきりになったりすると、極端に免疫力が低下します。研究者の間では、長年この謎が解けなかったのですが、最新の研究によって、その要因が骨と骨から出る「免疫ホルモン」にあることがわかり、驚きを与えています。

骨の中には骨芽細胞という骨を修復する細胞があります。そこから分泌される「オステオポンチン」というホルモンに、何と免疫細胞を2倍に増やすという効果が発見されたのです。
しかもこのホルモンは分泌のされ方が独特で、運動による骨の刺激により分泌量を増減させます。運動せず骨ホルモンの分泌が減ると、全体の免疫力が下がり、逆にやりすぎて過剰分泌すると身体はSOSを感じます。

骨はこの働きを通じて、身体のペースメーカーとしての役割を担っていたのです。

内臓全てに働きかける「オステオカルシン」

もう一つの骨ホルモン「オステオカルシン」は、健康寿命を延ばし、全身のエネルギー代謝を活性化させる働きを持つとして、こちらも注目を集めています。

「オステオカルシン」は、骨芽細胞が新しい骨を作る際に分泌されます。その働きは、2007年に糖尿病を改善する作用が発見されたのを皮切りに、認知予防、メタボ予防、代謝アップ、活性酸素の量を減らす、コラーゲン育成による肌活性、男性の生殖機能を上げるなど、多くの健康に関する発表が学術機関で行われ続けています。

しかしそんな「オステオカルシン」の分泌を阻むのが、骨粗しょう症。お年寄りの病気と誤解されがちですが、最近では若者の間でも発症が多くみられます。現代人の生命力を下げているのは、骨の弱体化による、骨ホルモンの不足が、原因だとも言われているのです。

骨の強化は5年計画。「骨活」はすぐスタート

骨ホルモンを分泌させるコツは、とにかく骨の代謝を促進することです。骨の代謝は、骨に入る小さな傷を修復することで行われ、コツコツと毎日運動することでついていきます。まずは食事によって刺激に耐える太くて健康な骨を育てつつ、散歩や階段を下りるなど、骨への刺激を欠かさないようにしましょう。

全身の骨は、5年で全て新しい細胞に入れ変わるそうです。若返り&健康寿命を延ばすためにも、骨ホルモンを分泌する、強い骨を手に入れて下さい。

※当記事は2020年5月イキイキ生活通信137号に掲載された内容を再載しております。

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