イキイキ生活通信/読み物
Strengthen the immune system with meals.

体を守る! 免疫UPの食生活

コロナで圧倒的に増えたお家時間。毎日自宅で食事をつくるなら、ちょっとしたメニューの工夫で感染症に負けない身体を手に入れることが可能です!

食事の摂り方次第で免疫細胞の働きは変わる!?

ウイルスや病原体から身体を守り、体内で重要な役割を果たすのが免疫細胞の役割。コロナ禍でその役割はより大きくなり、その力に注目した人も多いでしょう。TVや雑誌で「免疫を高める」食品が特集されたりしますが、この表現、実は正確ではありません。私たちは外部から侵入する菌を「攻撃する力」と誤解してしまいますが、免疫にはもう一つ、異物に対しての細胞の過剰反応を「抑える力」があり、その2つのバランスが絶妙にとれていることが大切であり、攻撃力が強いからと言って、よいわけではないのです。

そしてその「抑える力」を持つ司令塔型の免疫細胞は、特に腸内細菌の影響を強く受けることがわかっています。その代表がアレルギー反応。腸内環境が悪いせいで、免疫細胞が異物への過剰反応を止められなくなった結果でもあるのです。まだまだ感染症予防が必要な社会環境の中、免疫の働きはより重要になります。日々の食事で免疫UPを図ることは必須と言えるのです。

▼腸内環境(食事)で働きを変える免疫細胞

制御性T細胞

制御性T細胞は、菌と戦う抗体をつくりだす免疫細胞の生産量を調整する役割を持つ特別なリンパ球です。腸内善玉菌が作り出す酪酸がこの制御性T細胞の働きを促進します。腸内を常に善玉菌優位にしておけば、少々の異物や菌でも過剰反応してしまうことを防ぐことができるのです。

M細胞

腸管粘膜に常駐し、他の免疫が病原性菌を取り込む手助けをする役割があります。悪玉菌が増えると働きが低下します。

IgA抗体

IgA抗体はウイルスや細菌以外にも、様々な病原体に反応する腸管免疫の主役です。その働きは腸内細菌に大きく左右されます。

毎日摂ろう!食物繊維と発酵食

もし今の食生活でお腹が張ったり、便秘や下痢が続いたりといった自覚症状があるなら、腸内環境が悪化し、免疫力が下がっている可能性が大です。しかし免疫に影響を与える腸内細菌は繊細な生き物。菌にも日により勢いがあったりなかったりと、調子の良し悪しがあります。

自分の体調が悪くなって慌てて対処するのではなく、善玉菌を常日頃から元気にさせておけば、腸内環境は善玉菌優位で安定します。そのためにも善玉菌を活性化してくれる食品(発酵食+食物繊維)を、毎日摂る習慣が必要なのです。

もし献立を迷うなら具(食物繊維)入り味噌汁を毎日飲むことがよいでしょう。昔からよく味噌汁に使われる具材は、組み合わせることで免疫を高める伝統的な知恵です。

免疫細胞のエネルギー源たんぱく質

栄養学的にたんぱく質の捉え方が変わったのが2003年頃。それまでの「摂る量を制限する」方向から、気にせずたくさん摂るという方針転換が行われました。その理由は、たんぱく質不足が体内の免疫工場の一つである胸腺を萎縮させ、免疫反応を弱らせることがわかったからです。

だからと言って闇雲にたんぱく質ばかりを摂れば、免疫がUPするわけではありません。たんぱく質はビタミン・ミネラルと共に摂取することで、そのUP効果が望めるのです。ポイントは、毎日食べるたんぱく源を1種類に限定しないこと。特に免疫の大幅低下が避けられない50歳以上の方は、たんぱく質+ミネラル摂取を意識することで免疫低下を防げます。

[たんぱく質を多く含む食品]
 ◎肉類、魚介類、卵、大豆製品

[たんぱく質に加えてさらなる免疫UP]
 ◎ビタミンA / ほうれん草・にんじん
 のどや鼻の粘膜の免疫系を高めてくれます。

 ◎亜鉛 / 全粒粉・胚芽・ナッツ
 細胞内亜鉛濃度が細胞内の免疫系に影響します。

 ◎ビタミンC / フルーツ(柑橘類)
 不足すると免疫力、解毒力が弱まります。イギリスの研究では、冷凍フルーツの方がビタミンCや抗酸化物質の含有量が高いという結果も。

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※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を再載しております。

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