イキイキ生活通信/読み物
The brain grows even from 100 years old.

脳は百歳からでも進化する

脳は年と共にどんどん衰えるのだから、「脳は一生進化する?そんなはずはない!」と思っている人も多いと思いますが、それは大きな間違いです。50代から60代に差し掛かると、多くの人が容姿や足腰の衰えから、自分が老いてきたと感じると思います。しかし、身体や肌の老化と脳の老化のスピードは全く違います。脳が衰えていることが分かるなら、脳を研究する必要はありません。脳は身体のどの部分とも異なり、使えば使うほど育つ臓器なのです。

脳の中では、胎児の頃から持っている潜在能力細胞が、80歳や90歳になっても働く準備をしています。確かに脳は他の臓器と同様に老化もしますが、年老いても使われていない部分や年を重ねなければ使いこなせない部分があり、使われる時を今か今かと待っているのです。あなたの脳も、使われるのをきっと待っているはずです。

大切なのは自分の脳を諦めないこと

「でも覚えていたはずのことがなかなか出てこなくなるのは老化でしょ?」と思われるかもしれません。これは豊富な経験や苦労によって、脳にたくさんの引き出しができたことの弊害で、数が増えれば増えるほど、思い出そうとするときに、その引き出しへたどり着くのが遅くなっているためです。

諦めたり、希望を捨ててしまうと、潜在能力細胞が成長する機会をもらえず、脳の衰えに繋がります。脳は成長しなければ衰える方向に向かう臓器なのです。しかし、衰えたところも鍛えれば、脳の機能はどんどん高まります。まずは、固定観念を捨てて、「脳は一生成長するものだ」と言うことをしっかりと受け止めることから始めましょう。

60代からの「元気脳」の作り方

1.思考系の刺激
「食べ終わったお菓子の袋をたたんでから捨てる」

美味しく食べ終わった、いろいろなお菓子の袋を手順を考えて折りたたみます。角が直角になるように集中力を高めて「美しく折ること」を心がけましょう。

2.感情系の刺激
「アロマなどの香りを楽しむ生活をする」

香りはその日に使いすぎた脳の働きを穏やかにして、気分転換をさせてくれます。好きなアロマやお線香、花の香りで脳を喜ばせましょう。

3.伝達系の刺激
「興味のある記事をメモしてその日に人に話す」

その日のニュースや気づき、発見をメモしておき、家族や友人にとって有益だと思える内容を選んで伝えましょう。

4.運動系の刺激
「寝るよりも座って、座るよりも立ってやる」

座って靴下を履く時は、背もたれにもたれず足を上げたまま履いてみましょう。靴下をいつも座って掃いている人は、最初は壁に持たれながら履いてみましょう。

脳に必要な栄養を摂って元気脳に

年を重ね、食欲が落ちても、壮年の頃と同じくらいに必要なのがビタミンとミネラルです。これは腹八分目の食事をしたからと言って減らすわけにはいきません。実際にアルツハイマー型認知症の患者さんの食生活はビタミンとカルシウムが不足していたという報告もあります。ビタミンとミネラルを不足なく補うには、野菜や豆類などを使った副菜の多い食事が必要です。1回の食事に1つのおかずではなく、一汁三菜ぐらいの日本の伝統的な食事パターンを心がけましょう。

1.認知症羅患率を下げるビタミンC,E,B
ビタミンCは生野菜、ビタミンEはアボカド、モロヘイヤ、かぼちゃ、魚介、ビタミンBは豚肉に多く含まれます。脳のビタミンと言われるほど脳機能に深く関わるビタミンBは、認知症の発症リスクを高めるホモシステインと言う物質の生成を抑える作用があり、豚肉の他、レバー、枝豆、葉野菜にも含まれます。

2.脳機能の向上が見込まれるDHA
脳細胞、神経細胞に多く含まれるため、摂取すると脳機能が向上します。青魚の脂質に含まれるので脂を落とさないよう、焼き魚より刺身で食べることをお勧めします。

3.若さを保つたんぱく質とポリフェノール
たんぱく質は脳血管の若さを保ちます。ポリフェノールは赤ワイン、カカオ、バナナ、ブルーベリー、マンゴーに含まれ、脳の海馬の活性化に役立ちます。

4.脳神経伝達物質の元になるレシチン
レシチンの摂取は、アルツハイマー病の予防に効果的です。和朝食の納豆、卵黄、豆腐の味噌汁はレシチンの宝庫です。その他、酵母やピーナッツにも多く含まれます。

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※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を再載しております。

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