健康コラム
Obesity increases the risk of dementia
by about 30%?

肥満は認知症リスクを約30%も高める?

肥満と認知症の関係とは

肥満と認知症の関係を検証した研究で驚くべき結果が最近発表されました。
英国の50歳以上の6千人を対象として、それぞれの体格指数(BMI)と胴回りの数値、認知症の診断記録を15年にわたり追跡しました。その結果、50歳以上で腹囲が平均値を超える人は、10~20年後に認知症にかかるリスクが高くなるということが判明しました。特に女性の場合は39%もリスクが増えており、男女合わせたリスクの増加率は28%でした。

米国のアルツハイマー予防クリニックに勤める博士によると、過去の研究で、おなかのサイズが大きくなると脳の記憶中枢が小さくなることもわかっています。

ちなみにその肥満と認知症に大きく作用するのがDHAとEPAです。

DHA・EPAと中性脂肪・内臓脂肪

DHAとEPAは、肥満の方のお悩みである中性脂肪を減らす働きがあります。

そもそも中性脂肪とは、私たちのエネルギー源となる大切なものです。しかしエネルギーが消費しきれずに余ってしまうと、その分は肝臓で中性脂肪に合成され、肝臓や脂肪細胞に蓄えられます。EPAやDHAには、肝臓で脂質の脂肪産生を抑制したり、脂肪酸の分解を促す作用があります。

さらに、血管内の中性脂肪を分解し、血液をサラサラにする効果もあります。血液がサラサラになるために重要なのが、赤血球の柔らかさです。EPAを摂取すと、EPAが赤血球の膜に取り込まれて赤血球自身が柔らかくなるので、血流が良くなり、血液がサラサラになります。

EPAとDHAは血中の中性脂肪値を下げるだけではなく、中性脂肪が蓄積された結果の皮下脂肪やメタボの原因となる内臓脂肪も減少させる効果や傾向も認められています。

DHAは神経細胞を柔軟に

DHAにおけるもう一つの大きな効果は、認知症予防です。

DHAには、脳の神経細胞の柔軟性を高め、情報伝達の送受信アンテナともいうべきシナプスの伝達性を良くする働きがあります。神経細胞は歳とともに減り続けますが、DHAをとって神経細胞が柔軟になれば、情報伝達が活発になり、脳の働きの低下を抑えることができます。特に記憶をつかさどる脳の海馬には、20%以上ものDHAが含まれています。ところが、アルツハイマー型認知症の方はこの海馬のDHAが大幅に低下していたという報告もあります。この海馬の衰えにもDHAが役立ちます。

脳の血流改善と活性酸素除去が認知症予防の鍵

活性酸素は、脳の神経細胞を傷つけ、アルツハイマー病を引き起こすとも言われていますが、DHAは脳内の活性酸素と結びつき、体外へと排出する働きがあります。

DHAのもうひとつの特徴は、物忘れ・認知症の原因の1つである血流悪化を防ぐ作用です。脳は血液から酸素やブドウ糖などの栄養を得ていますが、歳を重ねると、血管に脂質が沈着したり、血液が詰まりやすくなることで血流が悪化し、脳に栄養が届かず、衰えてしまいます。
脳の老化を防ぐためにDHAとEPAを積極的に摂取していきましょう。

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※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を再載しております。

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