健康コラム
Depression is increasing so much.

「うつ」がこんなに増えている

蓄積されたコロナ禍のストレスが私たちの心を襲う

新型コロナの拡大を防ぐための外出制限は、世界中の人の、心の健康に多大な影響をもたらしました。 経済協力開発機構(ОECD)の最新調査によると、多くの先進国で新型コロナ拡大の前後で、うつ病・うつ状態の人の割合が2~3倍に増えたとのこと。日本でも、うつの人の割合は、2013年7.9%から、2020年17%と2倍以上に増加しているそうです。

またパンデミックに伴う失業や経済的不安はうつになる人を増やす大きな要因となっています。 今後、さらなる経済の悪影響により、うつになる人の割合は増えると予想されています。
今は気が張って大丈夫という人でも、ストレスというものは蓄積され、後日、悪影響を与えることもあり、大きなストレス原因から1~2年後に、うつを発症する人も少なくないそうです。自分の心を守る。それがこれからも続く「先が見えない時代」には必須なのです。

コロナ禍で「巣ごもり生活」を続けた人は要注意!

現在、心の健康が脅かされ、うつ病・うつ状態になってしまう人が増えているのは、単なるストレスが理由だけでなく「日光の不足」という直接的な要因もある、と専門家は見ています。

人間は日光を浴びる時間が少ないと、ストレスを緩和して気分を良くする脳内伝達物質「セロトニン」の生成が滞り、無気力になったり、いらいらが募ったりします。また、日中も眠りを誘う脳内ホルモンのメラトニン分泌により身体が眠ったような状態が続いてしまうのです。心の調子が優れないと感じる人はまず、外に出て日の光を定期に浴びてみましょう!まずはそれだけで改善する可能性があります。

最も精神的ダメージを受けているのは若者と女性

米国で行われた「50州のCОVID―19プロジェクト」による大規模調査によると、心に最も大きな打撃を受けた年齢層は若年成人(18~24歳)で、なんと42%が中等程度のうつ病症状が出ているそうです。それ以上の年齢は25~44歳が32%、45~64歳が20%と続いています。

これまで精神疾患の有病率は男女差があり、女性の方がうつ症状や不安を訴える割合が高いことが知られていました。2020年10月の警視庁の自殺者推移によると男女全体で約25%増となってしまったのですが、内訳をみると男性6%増ですが、女性はなんと約60%増と急上昇しており、特に女性の心に深刻なダメージを与えているのがわかります。

コロナうつを今回だけの特別なものと認識して、心の状態を放置して「自然に治す」というのはおすすめできません。なぜならうつ病は、放っておくと症状が固定化してしまい、治りにくくなってしまうからです。

放置されたうつ病は症状が悪化し、どんどん思考が鈍化していきます。ただ話を聞いてもらうだけでもかなり違ってきます。今後「気持ちが沈み込みが続くな」と感じた場合は、できるだけ早期のケアをしましょう。

すぐにでもできる!うつ予防法

●自然のもつメンタルヘルス改善効果を役立てる 「グリーンインフラ」

心の不調を自然に回復させる効果を発揮するものとして、今「自然とのふれあい」が注目されています。自然の中に分け入り、日の光を浴びて緑に囲まれた環境で新鮮な空気を吸い込む。皮肉にもコロナ禍によって外に出ることが精神衛生に絶大な効果をもたらすことが確認されたことから、各国で癒しの場所の整備に力を入れる方向となっています。

例えば、草花や生物の種類が多様な場所に身を置くことでメンタルヘルスが良好となることが分かっています。大きな自然がない地域でも公園、庭園、川沿いなどの自然の喜びを提供する場所は一定数整備されています。週に一度はそんな場所に身を置くことで、私たちの心は守られることになるのです。

●"楽しみ"をともなう運動"喜び"を分かちあう食事「マインドフルネス」

広島大学の研究によると、運動や身体活動の持つ主観的な楽しさを伴うという活動の質が、うつ病の改善と関連することを明らかにされました。マインドフルネスとは、「今、この瞬間を大切にする生き方」という意味。評価や現実的な判断を手放して、自分の心の中で湧き上がる喜びや欲求を大切にすることで、心を守ることができます。

喜びをかみしめながら摂る食事は、それだけで腸内細菌を活性化することが分かっており日々の食事を楽しくすることで、うつを防ぐことにつながります。 また、未来への期待感はうつ予防に。カレンダーに今後の楽しい予定を書き込んでみましょう!

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※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を再載しております。

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