健康コラム
Sleep and immunity.

眠りと免疫
あなたの身体を守る良い睡眠とは?

感染予防の基本となる免疫強化。実は普段の睡眠をちょっと気をつけるだけで、免疫力アップにつながります。今回はそのポイントをご紹介!

睡眠不足のままだとコロナ感染リスクが上がる!?

コロナの感染拡大が3年目に突入している現在、ストレスなど様々な要因によって約3割の人が睡眠の質の低下を感じ、生活に影響を及ぼしていることが明らかとなりました。(参考:コロナ禍の健康状況調査/ニチバン)
これがなぜ重大な問題かというと睡眠時間が減少し、睡眠の質の低下が当たり前となってしまうと、、免疫力が下がり感染症にかかりやすくなり、さらにはかかった後、治りにくくなることがわかっているからです。

これは睡眠と免疫の関係性の中で、免疫細胞の持つ「免疫記憶」というシステムに睡眠が深く関わっているため。重要な免疫細胞の一つ「T細胞」は1度侵入した病原体を認識し、排除する役割を担います。このT細胞のおかげで私たちは1度感染したウイルスに再度感染するリスクが減ります。「これまでコロナに感染してないよ」という人も、実は気づかないまま感染し、T細胞の免疫記憶によって発症を防いでる場合があります。

しかし睡眠不足になると、T細胞がせっかく覚えた免疫記憶の持続期間が短くなり、感染リスクが上がってしまうことが、研究によってわかっています。

睡眠時間で変わる免疫力!

平均的な睡眠時間が7時間未満の場合、短くなるにしたがって風邪の発症率が上がり、1日5時間未満の人は感染症に非常にかかりやすくなります。

一方、米国で行われた大規模調査では、睡眠時間が7時間を習慣化している人が最も死亡率が低く長寿であるという結果がでており、さらには8時間以上の「過眠」も身体にはよくないことがわかりました。

入眠後3時間が免疫活性のゴールデンタイム

「寝る子は育つ」とよく言われますが、それは睡眠中に分泌される「成長ホルモン」の働きによるものです。成長ホルモンは毎日の睡眠のたびに分泌されていて、糖や脂質の代謝を調節し、身体が成長しきった後も、免疫力を強化して日中受けた細胞のダメージを修復するという役割を果たします。

この成長ホルモンがもっとも分泌されるのが入眠後1~3時間。その分泌量は眠りの深さに比例しており「いかに早く深い睡眠(ノンレム睡眠)へと入るか」が、免疫を活性化させるための大きなポイントになります。

入眠の深さは、室温や音、寝具や着ている服などで調整することが可能ですので、まずは寝室の環境にこだわってみましょう。そしてもう一つ、入眠に役立つのが睡眠時の腸内環境です。夜22時~翌2時頃は、実は腸の活動が最も活発になる時間帯。夕食にトリプトファン(乳製品や大豆製品、ナッツ、バナナなど)というたんぱく質を補給しておけば、腸内細菌を活性化させて免疫を高め、より深い眠りへと導くことが可能です。

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※当記事は弊社発行誌『イキイキ生活通信』に掲載された内容を再載しております。

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