大人にとって当たり前でも、子どもにとっては当たり前ではないことがたくさんあります。例えば「病気になって具合が悪い。熱がある。風邪かもしれない」というのは、大人が健康なときや病気のときの過去の経験に基づいて判断していることです。
人生経験の少ない子どもの場合には、自分自身で何が不調なのかさえ言えないこともあるのです。こういうときに、多くの場合、まず気づいてあげられるポジションにいるのが母親です。日常と違うか判断できるのは、その子の日常を知っている人なのです。
また、親とは、子どもにとって全権を委任している大人にして、絶対の存在。その一挙一動に、子どもはインスピレーションを働かせます。「親のこういうときは、機嫌がいい」なんてね。 そしてまた子どもは、世の中のあらゆる疑問、質問を親に投げかけます。そういう意味で親とは子どもが接する最初の社会でもあり、その社会の全てでもあります。
そこで、考えてみてください。親が健康でなかったら、どういうことになるでしょうか。子どもの変調にも気づかず、子どもの疑問・質問にもキレてしまっていては…。基本的に両親が健康でなかったら、なかんずく、精神的に不健康であったら、子どもにとって、よい環境がととのっているとは、おそらくいえません。
つまり、子どもを心身ともに健康に育てるための両親の健康の大切さは、昔よりも格段に重要性が増しているということなのです。なにしろ、両親が子どもを見ない限り、地域社会や教育システムはほとんど昔ほど機能していないのです。「親がなくても子は育つ」という昔の言葉は、死語になってしまったわけですね。
地域社会という点では、ご両親もその心の支えを失いつつある今日です。今後、両親と子どもが仲よく暮らすということが、ますます大事になっていくことでしょう。
そして、その暮らしのなかでもぜひ、質のよい食事を摂っていただきたい。この、最近では有機栽培が見直されてきています。
しかし、全般に昔の野菜とくらべて、現代の野菜には重要なミネラルや元素が、かなり欠如している可能性が高いと思われます。
特に重要だと思われるものは、亜鉛だとかセレニウムなどです。亜鉛はタンパク質の合成や分解にとても重要な働きをしています。また、モリブデンというような非常に稀少な元素は生体には欠かせないものといわれています。
塩にしても、精製されていない塩を選ぶというのは、とても意味のあることです。天然の塩のなかにはNaCL(塩化ナトリウム)だけでなく、マグネシウムをはじめ、さまざまな微量成分が含まれています。
問題なのは、かなり食生活に気をつけているような家庭であっても、流通の影響や加工食品全盛の現代においては、こうした重要なミネラル分が不足しがちだということです。
サプリメント(栄養補助食品)は、食品でありながら一見薬のような形態をしているので、敬遠する人もいるようです。しかし、現代において、その摂取の重要性はますます高くなってきているのです。
私と半田広宣さんとで開発した『ヌーススピリッツ』に関する質問に、こんな内容がありましたので、サプリメントを理解する上での参考としてご紹介しましょう。
「私は、男児一児をもつ32歳の母親です。4歳になる子どもが、最近ADHD(多動児)との診断を受けました。薬に頼る前になにか対策はないでしょうか」というものです。
この場合できるとすれば、だたひとつ。生活のスタイルを全部変え、食べるものも全部変えなくてはなりません。ですから、こくなようですが、方法論での対応は難しいといわざるをえません。
こんなときこそ、ヌーススピリッツを継続的に飲ませてあげるほうが、かなりいいのです。これは実は薬を飲ませて治すということとは、似て非なる考え方です。
というのは、ヌーススピリッツは、病気を治すためのものではなく、健康を創りだすために世に送り出したものだからです。逆にいうなら、症状が改善されたから飲むのをやめるというものでもありません。かといって、「飲むのを忘れた、どうしよう」というものでもないのです。
現代人に不足しがちな微量ミネラルとキトサンを多く含み、心の安定や血圧の安定など様々な機能性のある『ヌーススピリッツ』。ストレスをかかえる前に、ぜひ常用していただきたいと思います。体感はことのほか早く現われることでしょう。
1951年東京生まれ。東京大学文学部卒業、筑波大学医学研究科博士課程修了。
精神科医、医学博士、日本医師会認定産業医、臨床心理士。
現在、ストレスケア日比谷クリニック院長。おもに心身症、摂食障害、気分障害(うつ病)、強迫性障害などの治療に従事。