大人同士の人間関係でさえ難しい昨今、言うことを聞かない子どもとの接し方や子育てに関して、どうして良いのか分からず、途方に暮れてしまう親御さんが増えています。たとえば、親が子を叱る場合でも、子どもはいろいろな感情を持ちます。ただ怒られたことが悲しくて悔しいこともあるでしょうし、叱ってくれた親の気持ちがなんとなく分かることもあるでしょう。あるいは、なぜ親が怒ったのか分からない、ということもよくあることです。
もちろん、“親”といってもひとりの人間ですから、教育的に叱るとは限らず、感情だけを子どもにぶつけて怒鳴ってしまう場合もあるでしょう。もちろん私は、これらを分類して「こうあるべきだ」などというつもりは毛頭ありません。
ただ、「親が子どもを育てる」ということは、親である私たちが子どもの思いや行為を理解して、的確に導いたり、必要があれば教育的に叱ったりしていく中で、子どもの気持ちをシンクロ(共鳴)するように感じ取っていくことなのではないかと思うのです。しかし、そういうふうに子どもの気持ちを感じ取れるタイプの親御さんは、非常に希な存在です。いま1学級に35人子どもがいるとしたら、その中の1人か2人しかいないようです。あなたはどうですか?お子さんの今の気持ちにシンクロして感じ取れていますか?
むろん、子育てに方法論は必要ないとは言いません。しかし、どのケースでは子どもを褒め、どのケースでは行為を禁止させたほうがよいか、というような判断は、実際には親のとっさの直観力に委ねられることが多いのです。事実、それは日常の瞬間瞬間に求められるものでもあります。言い換えれば、子どもの気持ちを「理解する」ということも大事ですが、子どもの気持ちを「感じ取る」ということは、もっと大切ではないかと思われるのです。そういう意味では親こそインスピレーションの力を磨く必要があると言えます。つまり、子どものインスピレーションを高めるには、親も子どもと一緒に高めていかなくてはならないわけです。では、子どもの気持ちを感じ取り、子どもにいつ何を話したらよいのか、どういうふうに叱ればよいのか、無条件に心にわき上がってくるタイプとは、どのような人たちなのでしょうか?
これにはいろいろな条件がありますが、ひとつは脳のアルファ波が関連しているようです。マズローという心理学者は、ピーク・エクスペリエンス(芸術家や宗教家が高い次元で経験するような状態)においてインスピレーションは働くと言いました。しかしその後、彼はそのような芸術家や宗教家でなくとも、知的にフル活動している人は、頭脳が高速で回転しているうちに、そのような生活形態をとっているのではないか、と仮説をたてたところ、実際にそうであることを確認したのです。
いま、インスピレーションを得ること=知的にフル活動することと言いましたが、これはそれほど難しいことではありません。たとえばそれがどんな人かと言うと、普通の主婦だったり、サラリーマンや経営者だったりするわけですが、いずれにせよ学力的知能とはあまり関係がないのです。要するに、いつも何かを一生懸命前向きに考えている人なのです。
いつもはここで低分子水溶性キトサン食品である「ヌーススピリッツ」の心と身体に与える影響について、どちらかというと栄養学的な面からお話しています。「ヌーススピリッツ」は私自身も開発に携わった製品であり、「心のコントロールのとれない人に対して改善の効果が期待できる」として米国と日本で用途特許を取得したことにより、その機能性について、ある意味折り紙がつけられたと言えます。この「ヌーススピリッツ」は栄養学的な面の他に、半田広宣さんの「ヌース理論」「ヌースエネルギー」がとても重要な役割を担っています。私はこの「ヌース理論」「ヌースエネルギー」が、実はいまお話しているインスピレーションやシンクロということと深く関わっていると考えています。というのも、脳のアルファ波や親子関係を含む心と心の共鳴(シンクロ)というのは、物質的な世界と精神的な世界の両方にまたがっている問題だからです。ヌース理論によると、この2つの世界は鏡のような関係になっています。たとえば、現代科学では「心の存在は脳の機能である」と言い切っているフシがありますが、脳以外の器官、あるいは身体の細胞にいたるすべての身体的要素には、精神的な要素が関連している可能性は充分にあるのです。
そういう意味では「ヌーススピリッツ」は、インスピレーションの向上に対して優れた影響があると考えられます。ヌースエネルギーは精神的な部分だけでなく、物質的な次元にまでその影響を及ぼしているのです。ただ、「ヌーススピリッツ」の場合、情緒の安定をもたらすという機能性を、成分として伴っています。叱らなくてはならないときに、自分自身がカーッとしてしまうと、恐らく子どもとシンクロできないですし、的確な叱り方というのはできないでしょう。
機能性食品としては、感情的に怒るというレベルから冷静に叱ることができる段階に導けるという機能が認められているのです。ですから、落ち着きのない、またキレやすいお子さんに飲ませるのも、もちろんよいのですが、親御さんも一緒に飲むのが一番よいと思います。
最後に、ひとつアドバイスです。いくら気をつけていても、子どもを感情的に怒鳴りつけて後悔することは、これからいくらでも出てくると思います。なぜなら、誰しも完璧ではありません。人生では他にもギャンブルにのめり込んだり、買い物依存症になったりして本人自身が悩むことも多々あるのですから。ですからこれは、いわば「間違った選択をした」と自覚したときの対処法についてのアドバイスです。
間違った選択をしてしまうと、人の習性として、それを補ったり、埋め合わせをしようと、すぐにまた選択に走りがちです。しかし、そこで行う選択は、ほとんど良い選択ではありません。もがけばもがくほど、深みにはまるということになるのです。たとえば、子どもの叱り方をしくじったときに、その場で取り繕おうとすると、逆に感情的になったりしますよね。
そんなときは、あっさり引き上げるか、時間を充分にあけて選択し直すことが、深みにはまりこまない秘訣です。
それでも感情が高ぶっていると、そんな判断すらできません。だからこそ、「ヌーススピリッツ」を飲んでみてください。スピリッツを飲むことで、落ち着きと冷静さが戻り、子どもの気持ちとシンクロして感じ取れるご自分に取り戻しやすくなっていくはずです。そうやって、ゆっくり接し直した方が、はるかにインスピレーションを高めやすくなりますし、子どもにとっても、ご自身にとっても最善の策となるはずです。
1951年東京生まれ。東京大学文学部卒業、筑波大学医学研究科博士課程修了。
精神科医、医学博士、日本医師会認定産業医、臨床心理士。
現在、ストレスケア日比谷クリニック院長。おもに心身症、摂食障害、気分障害(うつ病)、強迫性障害などの治療に従事。