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2008年5月12日

コンタクトその2

コンタクトその1」のつづきです。

コンタクト

藤本
では、太陽系の中で地球は、どのような働きなんですか?

半田
モノ、つまり物質だ。

藤本
物質ですか?それは、太陽を中心とした、月・火・水・木・金の意識活動の映し絵として生み出された物質であるということですか?

半田
藤本さん、なかなかするどいなぁ(笑)。僕らの意識はつねにモノと関係して活動しているよね。日常生活というのは、言い換えればモノとつき合って暮らして行くことだ。
もちろん、他人との関係というのが人生で最も重要な要素であるのは確かだけど、その前に、モノと肉体がなくちゃどうにもならない。
この「モノと肉体」の関係を作っている大本の霊的働きが地球と月なんだ。お月様はつねに表だけを見せて裏を見せないでしょ。
藤本さん、試しに今、そこにあるパソコンを見ながらグルッと一周回ってみるといいよ。すると、肉体は常に前をモノの方に向けていないといけなくなるだろ。それが月が決して地球に対して裏を見せないことと関係しているんだ。まぁ、一つの分かり易い喩えだけどね。

藤本 
うーん。なるほど、そうですね(笑)。

半田
はは。簡単に話しているんだけど、ヌースってのはね、真剣に考えていくと笑い事では済まされなくなってくるんだよ(笑)。
例えば、新月と満月の意味を考えるといいよ。新月は地球に対して月と太陽が同じ方向に並ぶときにできるよね。一方、満月は月と太陽が地球を挟んで正反対の位置に来るときにできるんだ。
これをさっき言った太陽=カガミ(他者の眼差し)とモノ=地球、肉体=月と重ね合わせて考えてみるといいよ。するとね、面白いことが分かってくる。つまり、月が何をやっているかってことが分かってくるんだ。

藤本
月が何をやっているかですか?確か満月から満月まで28日間その中に新月が1回入っているんですよね。月は潮の満ち引きにも関係していますよね。子どもが生まれるのも、確か満月の時が多いと聞いたことがあります。

半田
もちろん、そういったことも関係しているんだけど、ここで僕が言いたかったのはね、月は人間の意識自体がほんとうの自分と自我の間で意識の呼吸をやっているということなんだ。地球-月-太陽(新月の状態)、つまり、モノ-肉体-他者の眼差しというように、並んでいるときは、他者から見た自分というものにどっぷり落ち込んでいるってことを意味するよね。
つまり、自分を意識している状態だ。反対に太陽-地球-月(満月)、つまり、自分の眼差し-モノ-肉体というように並んでいるときは、意識は自分そのものであり、そこには他者は介入してこない。
つまり、一生懸命何かに取り組んでいるときってのは他人のことなんて考えないでしょう。一心不乱、無我夢中というやつだけど。こういうときは、意識はほんとうの自分になっているんだ。人間の意識にはこうした二つの状態が基本的にあって(ヌース理論ではこれを「人間の内面」「人間の外面」の意識という)、人間の意識はつねにこの二つの意識の在り方の間を呼吸しているんだね。難しい言い方をすると、顕在意識と無意識の間、という言い方ができるかな。

藤本
双方向に意識が呼吸をしているってことですね。「人間の内面と界面」=「顕在意識と無意識」の呼吸とは、地球(モノ)と月(肉体)と太陽(カガミ・ 自我の本質的力)が意識活動をしているってことですよね。

半田
うん、そうだね。自己と他者の間をつねに意識が行ったり来たりしてるんだ。月の公転は両者間の調整をやっている。

藤本
じゃあ、土星以降の天王星や海王星の働きや冥王星は??

半田
土星の向こうは占星術でも「トランスサタニアン」って呼ばれているんだけど、さっき言った人間の集合意識の二つの側面のさらに奥にある意識の次元と言っていいね。もっと深い次元だ。天王星と海王星は人間を社会的なものからもっと宇宙的というのかな、社会を超えた方向に意識を持って行こうとしている陰陽の意識次元の現れだと思う。
矛盾しているように聞こえるかもしれないけど、人間を個体として確立させようとする大本の力と言ってもいい。
これらの惑星は近代以前は発見されてなかったんだよね。もちろん、近代以前にはまだ望遠鏡がなかったってのもあるけど、ヌースの考え方では、人間の歴史に近代性、つまり、科学や民主主義などといった概念を送り出して来たのが、この二つの惑星だと考えるんだ。
冥王星は「オコツト」の出身星でもあるんだけど、僕は「人間の最終構成」のための力の投影だと思っている。っつーか、オコツトがそう言ってきたんだけど(笑)。

藤本
冥王星は2006年8月に太陽系の惑星から外されましたよね。

半田
うん。これには僕もまいったよ。何せ『人神』や『シリウス革命』ではオコツトの出自として冥王星、冥王星って連発してたでしょ。だから、去年は僕のところに質問が殺到したんだよね。冥王星なくなっちゃったんですけど、ヌース理論は本当に合ってるの?って。アマゾンのブック紹介のところでも『シリウス革命』にそんなレビューが載ってて、せっかく本の評価が五つ星だったのに四つ星に下がっちゃった(笑)。

藤本
それは何か意味があるんでしょうか?

半田
うん。ヌースの今までの文脈から考えるとあるだろうね。冥王星が惑星から格下げされた原因は実はカイパーベルト天体と言ってね、冥王星の外側にたくさん小惑星帯が見つかったからなんだ。
この中に冥王星より少し大きい天体が見つかった。エリスって名前がつけられたんだけどね。そのせいで、冥王星はカイパーベルトの仲間に入れてしまおうってことになったんだ。
つまり、エリスのせいで冥王星は惑星から除外されたことになる。ここにはヌース的に大きな意味があるよ。

藤本 
大きな意味って何ですか?

半田
冥王星というのはね、さっき言った天王星と海王星の力を統合する働きとして生まれて来た意識の影なんだ。科学的なものと市民社会的意識、つまり、これは資本主義の原動力となってきたものだよね。
人間の歴史はこうして資本主義の下で人間の個体化を進めてきたと僕は思うんだ。この個体化ってのは、一人の人間の中の自我の中に宇宙の無意識の働きを全部送り込んで、ホロンとして確立させようとする働きだ。
こうしたものをコギト(近代的自我)の完成って呼んでいいと思う。つまり、ここから人間の歴史は何か別なものへと変わろうとしていくわけだね。
僕が本の中で「人間の最終構成」と呼んだものはそのことなんだ。資本主義というシステムの中で自分の夢や欲望を中心に個体本位で生きて行くという人間の在り方、それがもう終わったんだよ、ってことを、この冥王星の惑星からの除外は意味しているんじゃないかな。僕はそう見てる。

藤本
「人間の最終構成」の意味するものは、人間が何か別のものに変わろうとする始まりということですね。それは、資本主義や個体本位で生きてきたことの終焉を意味するということで、未だかつて人類が体験したことのないような変化ですよね。どのように変化していくのか僕の想像力では、具体的にイメージできません。どう変わっていくんでしょうか?

半田
今までは肉体を中心に、それが自分で、そこに意識の中心があると思っていたよね。しかし、これからはこの意識の在り方が薄らいでいくんだ。むしろ、いままで自分が外の世界と思っていたところが本当の自分で、今まで自分と思ってたものは幻想だったということに気づいていくんじゃないかと思う。
そうすると、どうなる?僕らは今まで外の世界が一つで、それを見ているたくさんの人間がいると思ってた。それが逆転するわけだから、この逆転は人間が一つになっていくということでもあるよね。
エリーがこのコンタクトという映画の最後に言った「わたしたちは大いなるものの一部で、すべてがつながっている。」という台詞が、ほんとうの意味で分かってくるってことなんだろうね。

藤本 
何となくイメージできるんだけど、まだまだです(笑)。『宇宙=私』になるって事ですかね?私たちは、肉体の外に自分以外の世界があると思っているけど、意識活動は、他者・モノ・惑星・宇宙をも含め外の世界で行われているんだと気づくことですかね。
エリーは、そのことを体感し確信した。今の科学的思考では、説明も理屈もつけられないことだから証明できないけれど、いつかそれが当たり前の常識になる時が来るんですね。
「かつて地球は丸くなかったし回ってもいなかったが、今では丸くて回っている。」みたいに。

半田
うん、そうだね。コペルニクスの天動説から地動説への転回は言わば、2次元世界(地平)から3次元世界(宇宙空間)への意識の次元上昇だったけど、今度は3次元から4次元世界への意識上昇が起こってくると思うよ。
ヌース理論がやろうとしているものも、その方法論なんだ。そのときは、コペルニクス的転回以上のものすごい宇宙観の変革が起こると思うよ。

藤本
4次元世界の意識上昇で思い出しましたが、ヌース理論では、太陽系の外の世界は次元が違うってことですよね。太陽系って3次元で銀河系が4次元とかになるのですか?その関係性や意識活動の意味も教えてください。

次号につづく!

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